歯周病って糖尿病と関係あるの?
実はとても関係があります
歯周病って聞いたことありますか?名前は聞いたことあるけど、どんな病気か知っている人は少ないのではないでしょうか?
歯周病は、歯ぐきの炎症から始まり、歯周ポケットが深くなることで、歯を支える骨が溶けてしまう病気です。歯周病が進行すると、歯がグラグラになって抜け落ちることもあります。
歯周病と糖尿病は、お互いに影響し合う関係にあります。
歯周病と糖尿病の関係
歯周病を治療することで、糖尿病の血糖値を改善することができます。また、糖尿病の治療をすることで、歯周病の悪化を防ぐことができます。
「からだの健康はお口から!」と言われるように、お口の環境が良くないと病気になってしまいます。虫歯や歯周病の治療をして、お口の環境を整えましょう。また、毎日のセルフケアでお口の状態を維持させてください。
そして、丈夫な歯で栄養バランスのとれた食事をし、健康で楽しい人生を送りましょう。
それでは、詳しくせつめいしていくよ
歯周病について
歯周病は骨を溶かす怖い病気だった!
歯を失う原因の1位は何だと思う?
やっぱり虫歯でしょ!
歯を失う原因として思い浮かぶのは・・虫歯?
実は、歯を失う原因の1位は歯周病なんです。(虫歯は2位です)
歯周病は、細菌の感染によって起こる炎症性疾患です。30歳以上の成人の約80%が、歯周病にかかっていると言われています。
歯周病になると、歯の周りの歯ぐきが腫れ、歯を支える骨が溶けだしてしまいます。進行すると膿がでたり歯が動揺し、最終的には歯を抜かなければならなくなってしまいます。
医院での患者さんの情報を入れる
歯周病の原因は細菌の塊!
お口の中には、400~700種類の細菌が住んでいます。
ブラッシングが充分でなかったり、砂糖を過剰に摂取すると細菌がネバネバした物質を作り出し、歯の表面にくっつきます。
歯垢は取り除かなければ、硬い歯石となって歯の表面に強固に付着します。歯石の中や周囲に細菌が入り込み、歯周病を進行させる毒素を出し続けていきます。
歯周病の症状・進行は4ステップ
- 1健康な状態
- 薄いピンク色の歯ぐき
- 歯と歯の間に歯ぐきが入り込んで弾力がある
- 歯ぐきが引き締まっている
- ブラッシングでは出血しない
- 2歯周炎
- 歯ぐきに赤いところが出てくる
- 歯を磨くと出血する
- 歯が浮いたような感じがする
- 歯ぐきにかゆみを感じる
- 3中等度歯周炎
- 歯ぐきが時々赤くはれて痛む
- 歯ぐきから血や膿みがでることがある
- 口臭が気になる
- 冷たい物を食べると歯がしみる(知覚過敏)
- 4重度歯周炎
- 歯ぐきがブヨブヨして血や膿みがでる
- 歯がぐらぐらする
- 口臭がひどい
- 食べ物が噛みづらい
歯周病の治療はプラークを取ることから!
歯周病の治療は、原因である細菌の塊(プラーク/歯垢)や歯石を取ることです。
歯周病の治療は大きく分けて4つあります。
- 歯周基本治療
- 歯周外科治療
- 口腔機能回復治療
- メインテナンス
この中でも、歯周基本検査がメインになります。
歯周基本治療は、自分で行う「セルフ・ケア」と歯科医院での「プロフェッショナル・ケア」がセットになっています。
歯周病のセルフチェックをしてみよう
歯周病について分かってきたところで、自分はどうなのかしら?と気になってきたのではないでしょうか。ここで歯周病のセルフチェックをしてみましょう。
思い当たる症状をチェックしてね
やってみるね
セルフチェックシート
1. 口臭を指摘された・自分で気になる
2. 朝起きたら口の中がネバネバする
3. 歯みがき後に、毛先に血がついたり、すすいだ水に血が混じることがある
4. 歯肉が赤く腫れてきた
5. 歯肉が下がり、歯が長くなった気がする
6. 歯肉を押すと血や膿が出る
7. 歯と歯の間に物が詰まりやすい
8. 歯が浮いたような気がする
9. 歯並びが変わった気がする
10. 歯が揺れている気がする
チェックはいくつありましたか?
チェックが1個でもあれば歯科医院へ!
1~3個 | 4~5個以上 | 0個 |
歯周病の可能性があるため、軽度のうちに 治療を受けましょう。 | 中等度以上に歯周病が進行している可能性 があります。早期に歯周病の治療を受けま しょう。 | チェックがない場合でも無症状で歯周病が進行することがあるため1年に1回は歯科検診を受けましょう。 |
歯周病と糖尿病の関係は?
歯周病と関係のある病気
歯周病菌と関係が高いと言われている病気は、動脈硬化、心臓病(細菌性心内膜)、肺炎(誤嚥性肺炎)、早期低体重児出産、糖尿病です。
糖尿病については後で説明するね
また、AIDSなどヴィルス感染の発症や、腎炎、バージャー病、関節リュウマチ、脂肪肝なども歯周病や歯周病菌の関与が疑われます。
喫煙も歯周病の進行を悪化させる危険因子よ
歯周病は「糖尿病の第6の合併症」
糖尿病の三大合併症、神経障害、糖尿病網膜症、糖尿病腎症です。
セルフケアと定期健診で健康管理をしよう!
セルフケアで歯周病を防ぐ!
デンタルフロスでフロッシング
歯ブラシでブラッシング
液体歯磨剤でマウスウォッシング
歯科医院での定期健診は必須!
歯周病は、自分で気づかないうちに進行してしまう病気です。歯の痛みや異常がなくても、3~6ヶ月に1回、最低でも1年に1回は、歯科医院での定期健診を受けましょう。
歯科医院での定期健診はこんな感じよ
- 1お口の状態を確認
歯の汚れや歯石の有無、歯茎の腫れや出血などをチェックします。
- 2虫歯・歯周病をチェック
虫歯の有無や大きさ、歯を支える骨の状態をレントゲンで確認します。
- 3歯周ポケットの測定
健康な状態なら3㎜以内、重度の歯周病なら深さが6㎜以上になることもあります。
- 4プラーク・磨き残しをチェック
染色液を使用し、プラークや磨き残しを確認します。
- 5プラークや歯石の除去
専用の機械で、プラークや歯石をキレイに取り除きます。
- 6セルフケアの指導
家庭で歯周病予防ができるようにブラッシング方法などを学びます。
歯の痛みや不具合を感じなければ、歯科医院を受診する機会が少ない傾向にあります。しかし、悪くなってから受診するのではなく、悪くならないように予防することが大切です。
Q&A
- Q糖尿病になると歯周病になりやすいですか?
- A
糖尿病になると歯周病になりやすいです。
- Q糖尿病は歯周病を悪化させますか?
- A
血糖コントロール不良の糖尿病は歯周病を悪化させます。
- Q歯周病を放置すると糖尿病になりやすいですか?
- A
重症の歯周病を放置すると、糖尿病が発症する、あるいは耐糖能異常を生じる可能性があります。
- Q歯周病は血糖コントロールを悪化させさせますか?
- A
重度の歯周病を放置するとHbA1cが悪化する可能性があります。
歯周病と糖尿病は深い関係があった!
歯周病と糖尿病の関係性について、歯科目線から紹介しました
歯周病と糖尿病を予防するために、医科・歯科での定期健診を受けましょう。
参考文献
糖尿病患者に対する歯周治療ガイドライン
NPO法人日本臨床歯周病学会
糖尿病情報センター
日本歯科医師会:テーマパーク8020
株式会社松風:歯周病と糖尿病のハンドブック
Newton Special:現代人のための取扱説明書